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不妊治療体験記vol.8【最終回】~ついに顕微授精!果たして結果は?~


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これまでお伝えしていた私の不妊治療体験記も、いよいよ最終回になりました。「この病院でできなかったら諦めよう」と、その地域では超有名の専門病院へ行くことになった私。果たして、無事に妊娠することができたのか、はたまた結果が出ずに諦めたのか…。最後まで、どうぞお付き合いください!

不妊治療体験記vol.1はこちら

体外受精に挑戦するまで

前回お伝えした通り、不妊治療専門病院でこれまで3回の胚移植をしたものの、1度たりとも着床はしませんでした。その結果を受けて4つ目の病院で着床障害検査をするも、とくに決め手となった結果は得られず。

とりあえず「血液をサラサラにする薬を飲む」という対処法をとる方針で、人生2度目の採卵が決定しました。

夫婦で説明会に参加

転院先の病院は「うちで体外受精をするなら説明会の参加が必須」と決まっていました。しかも、夫婦そろっての参加が絶対条件。

「1度経験したから説明は結構です…」というのが本音なのですが、参加しなければ採卵すらできないとのことでした。

隔週の土曜日に実施されるので、主人の休みに合わせて予約を入れます。前回は参加費3,000円(体外受精を実施すれば返金される)でしたが、今回は無料でした。

会場は、病院内の広いホール。
中に入ると、30組以上の夫婦がすでに着席していました。前回もそうでしたが、私たちが1番若い方かな…という印象です。(当時私は26歳、夫29歳)

まずは院長先生が、採卵から移植までの流れを順番に説明します。内容はほとんど前回の内容と被っていましたが、印象的だったのは「結果へのこだわり」でした。

「グレードの低い受精卵は使用しない」
「移植後はお姫様生活を送ってもらう」
など、妊娠率を少しでも高めるためのこだわりを感じる発言がちらほら…。

※「お姫様生活」とは
「お姫様生活」とは、胚移植から判定日までにできるだけ安静にしておく生活のことです。
重いものをもたない・夫婦の営みもしない・自転車にも乗らない…といったものから、階段の利用・買い物・アロママッサージなど「それもダメなの!?」と驚く項目まで。なかには、トイレをお風呂以外はベットの上で過ごすという徹底したお姫様生活を送る人もいるのだそうです。

ただし、院長先生は「お腹にまったく力を入れない生活なんて無理。できる範囲で構いません」とおっしゃっていました。当時の私は仕事を休みにくい状態だったので、「特に避けてほしい項目」と掲げられていた

・自転車
・夫婦の営み
・お風呂掃除
・布団の上げ下ろし

だけやめるようにしました。

質疑応答は挙手制ではなく、質問を書いた紙を回収して院長先生が答えるといった方法でした。これなら、全員で情報を共有できるうえに匿名で質問できますね。

採卵開始までの道のり

説明会も終わったし「これでいよいよ採卵周期のスタートだ!」と思いきや…なにせキッチリしている病院だったので、独自の決まりがいくつもありました。

まずは、不妊治療をするにあたり「夫婦であること」を証明するため、夫婦それぞれの住民票を提出しなければなりません。カルテにもしっかり「住民票提出済み」とマークされます(笑)

さらに、夫婦それぞれが感染症検査を受ける必要があります。しかも、1年経過したらまた受けなければなりません。結果が出るまでは治療が始められないので、できるだけ早く受けておくほうがいいでしょう。なお、検査が陽性ならその治療から始めることになります。

私は以前の病院で受けた検査結果を持参しましたが…「うちの病院の必須項目に足りない」とのことで、また1から検査しなければなりませんでした(泣)血液検査なんて、「念のためにうちでもう1回調べます」と同じ検査を受けましたよ…。(血液型なんてコロコロ変わるものでもないのに…)

カウンセリング

病院ではさまざまな方向から不妊治療をサポートする体制が整っており、各種カウンセリングや受胎鍼、レーザー治療などを受けることができます。もちろん有料ではありますが、一部のものは1回無料の体験チケットが用意されていました。

そこで、栄養と心理カウンセリングをそれぞれ1回ずつ受けることに。普段の診察と同じように、受付で予約を取るだけです。

栄養カウンセリング

このカウンセリングでは、栄養士の方が1:1で30分ほど栄養面のアドバイスをしてくれます。私は初回だったこともあり、簡単なアンケートに答える「ファーストチェック」から始まりました。

「間食が多いか」
「魚をよく食べるか」
など答えやすい設問が並んでいて、内容を栄養士さんがチェックしてくれます。

私が受けた注意点は、
主人の好みに合わせて肉メニューが多く魚が少ない
寝る前のおやつが多い」の2つでした。

魚料理が面倒なら、缶詰でも刺身でもいいので魚を食べる回数を増やすこと。そして寝る前のおやつは極力控え、できれば間食も減らすよう指示されました。

2回目以降のカウンセリングを続けるなら、毎日の食生活をメモするよう宿題が出たり、そこから改善点を見つけたりするするそうです。

やっぱり、人ってプロに言われると意識が高まるものですね。今まで「もっと魚を食べないとなぁ」「寝る前のおやつは体に良くないだろうなぁ」とボンヤリ感じていたのですが、このカウンセリングで一気に気が引き締まりました。

この初回カウンセリングで栄養士さんに言われた言葉は今でも覚えていて、普段の食生活に活かされています。なかなか自分では食生活を変えられない…という方におすすめです!

心理カウンセリング

続けて、心理カウンセリングも受けてみました。心理カウンセラーの方が、個別でとことん私の心理面に向き合ってくれます。

いかにも心理カウンセラーらしい、非常に落ち着いた女性の方。部屋もリラックスできる配慮がされており、それまでの緊張がスッと解けるほどの居心地のよさを感じました。

最初にカウンセリングのルール(内容は外に漏らさない、ただしカルテには記入する場合もあるなど)を説明されます。そのあとは、自分の悩みや不安をありのままに話します。

正直、最初は「なにを話したらいいんだろう」なんて思っていたのですが…カウンセラーさんが本当に話しやすくて、自分の本心をどんどん話すようになっていきました。話に行き詰ったら、「そのとき、あなたはどう感じたの?」「いま振り返るとどう思う?」と話を進めてくれます。

どんな内容でも一切否定せずに受け入れてくれるので、いつも押し殺していた自分のドス黒い感情もすべて吐き出すことができました(笑)

「私が不妊治療中と知っているのに、2人目の妊娠を嫌味混じりで伝えてきた友人が憎い」

「街中の子連れや妊婦さんを見ると辛い」など、どんどん伝えていましたよ。

カウンセリングが終わった後は、心が軽くなったように感じました。そして治療に対して前向きになり、自分に自信が持てるように。

「自分の気持ちを吐き出す場所って必要だな」
「私、けっこう無理してたのかも」と改めて感じさせられました。

不妊治療とストレスは切っても切れない関係です。このようなサポート体制があるのはとても心強いですね。

体外受精スタート!

そうこうしているうちに、2人分の住民票を提出し、感染症の検査も無事クリア。私たちは、ようやく採卵を迎えることとなりました。

採卵準備周期

まずは問診にて、体外受精の方針を決定します。前回はアンタゴニスト法でしたが、今回はロング法をすることになりました。「違う方法をいろいろ試していこう」という考え方に基づいているようです。

とはいえ、今すぐに採卵を進めるのではなく、1回生理を見送ってからとなります。次回までの薬をもらい、その日の夜からさっそく内服がスタート。

もらった薬は、「ソフィアC」というごく普通の飲み薬ですいた。しばらくすると、以前にも経験した鼻スプレーも始まります。

スケジュールを決めて薬をもらっただけですが、その日の会計は16,400円…。前回の病院では、高額な鼻スプレーは「2分の1」「3分の1」と分割して処方してくれたのですが、この病院では対応していないようでした(泣)

採卵周期

ソフィアの服用が終わると、3日ほどで生理が来ました。いよいよ採卵周期の始まりです!生理3日目に病院へ行き、内診と採血を行ないます。

そして…渡されたのは、4日分の自己注射
前回の病院では注射のためだけに毎日通院していましたが、今回の病院では自己注射という選択肢があったんです。病院までの交通費や時間を考え、私は自己注射を希望しました。

診察・内診・4日分の自己注射で…その日の会計は50,200円!いやぁ…高いです(泣)

恐怖の自己注射

さてさて、ついに始まった自己注射。
とはいえ、「医療従事者に依頼できる場合、その人にお願いすることもOK」というルールがあります。身内・友人に医師や看護師がいる方は、その人に注射してもらえるのです。(とはいえ、連日お願いすることになるので同居か近所じゃないと厳しいかも)

もし周囲に頼ることができなくても、自分で打てるようになるための「自己注射レッスン」を受ければ大丈夫です。どんなに怖がりの人でも、集団レッスンの勢いで打てるようになるのだとか…。(自分だけ怖がってできずにいると、ほかの人を待たせてしまいますからね…笑)

ちなみに、その場で注射できるまではOKがでないそうです。また、1回3,000円の参加料がかかります。

私の場合、自己注射レッスンは受けず主人にお願いすることにしました。自己注射をする場所は、なんとお腹!しかも、針を垂直に刺さなければならないんです。これを自分でやる勇気はなかったかも…。

この注射、採血より何倍も痛いです。
注射を打つ瞬間というより、液体が注入しているときの痛みが強いんですよね。だからといってゆっくり注入していると痛い時間が長引くだけなので、いつも主人には「遠慮せずにちゃっちゃと終わらせて!」と注文していました(笑)

注射のセットは病院で廃棄する必要があるので、次回の通院時まで保管しておきます。やっと4日連続の自己注射が終わったと思ったら、次の通院でまた新たな自己注射を渡されました(泣)

採卵周期2回目の診察は、内診・採血・追加の注射3日分で18,570円。注射の種類が変わったので、前回よりはだいぶ安くなりました。その後も追加の注射や採血を行なっていきます。

そして、いよいよ決定した採卵日の2日前のこと…。採卵2日前は「時間指定の注射」があることをすっかり忘れていた私。

いつも頼りにしていた注射担当の主人が、残業で不在という事態になったのです(泣)ここに来て、ラスト1回の注射を自分でやるべきか…いや、レッスンを受けていないから方法が分からない…。そもそも、そんな勇気もない…。

悩みに悩んだ挙句、主人の職場まで往復2時間以上かけて注射を打ってもらいました。主人の職場にこっそりお邪魔し、給湯室でお腹を見せてコソコソと作業している怪しい2人組…(笑)

そんなこんなで、ようやく自己注射ラッシュを終えることができました!

採卵当日

前回は部分麻酔でしたが、今回は静脈麻酔です。そのため、前日の23時から絶食。当日は朝イチで病院に向かいます。

私だけが別室に呼ばれ、主人とは別々に。用意されている服に着替え、看護師さんが点滴を打ちに来てくれます。下着は脱いだ状態で、ナプキンをセットしたパンツをポケットに入れておくよう指示されました。

そして、ようやく採卵室へ。
人生で初めての静脈麻酔なので、もう心臓はバクバク…。

先生に「では眠ってもらいますね」と言われたものの、最初の数秒はなにも違和感がありませんでした。

「全然眠くない!このまま始められたらヤバい!」と焦った私は、「まだ起きてます!先生、私まだ意識あります!」と必死に伝えていました(笑)

「大丈夫ですよ~」と軽く受け答えされ、「いや、でも…」と答えようとした瞬間…目が覚めたら、さっきまで寝ていたベットの上でした。

「終わりましたよ~」と看護師さんが叩き起してくれるまで、完全に爆睡していたようです…。採卵前にポケットに入れておいたパンツも、看護師さんの手によってすでに履かせられた状態でした(笑)

前回の部分麻酔での採卵と比べると、こんなに楽なもんなのかと心底驚きました。幸い、静脈麻酔による副作用はありません。むしろ、熟睡した後のようにスッキリとした感覚でした。

採卵できた卵は、全部で20個近く。
主人の採精も終わり、あとは培養士さんに任せるだけです。

この日のお会計は…320,290円。
これはあくまでも「採卵」だけにかかる費用なので、このあとどんどん出費が重なります…(泣)

まさかの顕微授精に変更!移植周期

採卵が終わった後は、OHSS(HMGなどによる刺激により、卵巣が大きく腫れてしまうこと)になってしまいました。お腹がどんよりと痛く、なんとなく重い感覚になります。

採卵から数日間は、家のなかで過ごすことに。受精卵はすべて凍結し、生理を2回見送ったあとに移植することとなりました。

受精結果は書面での報告となり、自宅に郵送で届けられます。(体外受精に関する請求書も一緒に…笑)

今回の採卵では、13個の受精卵ができ、1番いいもので5BBの卵が得られました。数は十分だけど、どの卵もグレードに「A」が入っていない…。そんな複雑な気持ちのなか、さらに目を疑う内容が飛び込んできたのです。

それは、報告書類の隅に書かれた「ICSI」の文字。これは「顕微授精」を意味しています。

そう…採卵当日に採精した主人の精子状況が良くなく、体外受精から顕微授精に変更になったのです。

顕微授精では、培養士さんが顕微鏡を見ながら細いガラス管を使って、卵子に精子を注入します。

体外受精から顕微授精になったため、予定よりさらに10万円以上高くなりました(泣)請求書に書かれていた値段は…287,280円。採卵と合わせると、すでに60万円以上ですね…。

この費用はわざわざ病院で直接払う必要がなく、指定された口座に入金すればOKでした。

OHSSにより1周期のお休み期間をはさんだあと、久しぶりに病院へ向かいます。内診をしたあと、その場で「5日後に移植しましょう」と決まりました。

数日間の薬をもらい、6,507円を支払って帰宅します。

移植当日

採卵は朝イチ&主人も付き添いでしたが、移植は午後から&私1人でした。1時間ほど待ち時間がありましたが、移植自体は全く痛くありません。

先生が融解したばかりの卵の写真を見せながら、「この卵ちゃんを今から移植しますね」と声をかけてくれました。まん丸の受精卵を見て、なんだか愛おしい気分に…。

その病院のこだわりなのか、移植中に優雅なBGMが流れ出しました。移植の瞬間に合わせて、誰かが再生ボタンを押しているのでしょうか(笑)

その後はベットでしばらく安静にします。
病院が用意してくれたプリンと柚子ルイボスティーをいただきました。

「お疲れさまでした。新しい生命がすくすくと育ちますように」という手書きのメッセージまで添えられていましたよ。

その日は移植代を含めて145,660円
その後しばらくは、処方されたバイアスピリン(着床障害検査で引っかかったため)を飲んで過ごします。

お姫様生活の開始…とはいかず、普段通り仕事も買い物も行ないました。なにもせずに過ごすなんて、現実ではなかなか厳しいですよね…。

判定日まで

移植から8日目のこと。
買い物帰りにドラックストアへ寄って、妊娠検査薬を購入しました。(体外受精に挑戦してからは、判定日の精神的ダメージを和らげるために毎回フライング検査をしていたのです)

ネットであれこれ調べていると、着床していればそろそろ検査薬が反応する人もいるようでした。

とはいえ、私はこれまで1度も着床したことがありません。あくまでも「ダメージ軽減のため」に検査していました。

自宅に帰って、さっそく尿検査。
最初は真っ白で、「また陰性か…」と棚の上に検査薬を放置していたんです。

そして10分後、ゴミ箱に入れようともう一度取り上げてみると…

うっすら陽性反応が表われていました!

あのときの瞬間は、今でも忘れられません。
自分でも驚くほど涙があふれてきました。

それから判定日まで、毎日のように検査していました。

「無事に成長していれば日に日に陽性反応の線が濃くなる」と聞いていたので、気になって仕方がなかったのです。ときには、1日2回試したこともありました…。

判定日当日

毎日のフライング祭りの結果、なんとか少しずつ線が濃くなっていくのが分かりました。とはいえ、ハッキリとした結果はまだ分かりません。そのため、今回の判定日はいつもよりはるかに緊張していました。

結果が気になりすぎて、予約時間より40分も早くに到着(笑)採血したあと、80分も待たされてしまいました。

ようやく診察室に入ると、先生の手元に血液検査の結果の用紙が!いままでは毎回「HCG:0.0」という結果だったのですが…今回は「HCG:694」という数字が示されていました。

移植を担当してくれた女性の先生が、用紙を渡しながら「しっかり着床していますよ。おめでとうございます」とほほ笑んでくれました。自分が「おめでとうございます」の言葉を聞くときがくるなんて、本当に信じられません。

その後、看護師さんに注射をしてもらいます。時期的にはまだ早いようなので、内診はありませんでした。

そして、「陽性判定をもらった方へ」という薄い冊子を渡されました。卒業までの流れや母子手帳を受け取る時期、まれに出血を伴うことがあることなどが記載されています。

追加のバイアスピリンも処方してもらい、この日の会計は15,020円。渡された紙に書かれていた「4w3d」という文字を見て、ワクワクしながら帰ったのを覚えています。

主人には電話で報告。検査薬を初めて使った次の日に「陽性反応が出た」とは伝えていたのですが、「まだ安心できない」と意外と薄い反応だった主人。「病院から陽性判定がでた」と聞いたら、「いま職場なのに大丈夫なの?」と心配になるほど大声で喜んでいました(笑)

不妊治療卒業まで

陽性判定をいただき、長かった通院生活もようやく終わりを迎えられる…と思いきや、卒業までの期間も意外と通院回数と費用が発生しました(泣)

胎のう確認

判定日の1週間後に病院へ行き、エコーを受けます。この日の目的は「胎のう確認」。赤ちゃんが入っている袋の存在をチェックするものです。

無事に胎のうが確認でき、さらに追加の注射を打って薬をもらいます。この日の会計は14,180円でした。

この辺りから、つわりのようなものが始まりました。

食事中に一瞬だけ吐きそうになる、朝起きたら気持ち悪さを感じる、という感じ。そこまで重い症状でもなかったので、仕事も家事も続けていました。

心拍確認

胎のう確認から5日後、今度は赤ちゃんの「心拍確認」を行ないます。先生がエコーに色をつけるスイッチを入れると、赤と青に交互に入れ替わりながら心拍がある様子を確認できました。そして、またしても18,480円というなかなかのお値段を支払います。

この時期は、とにかく「無事に成長しているか」というのが不安で不安で…。病院で「問題ない」「順調です」という一言を聞くたびに天にも昇るような気持ちになり、また次の通院日が近づくと「今回も本当に大丈夫だろうか」と心配でたまらなくなりました。

決して無視できない「流産」の存在。
「とくに初期は流産しやすい」と説明会で言われていたので、1日1日がかなり長く感じられました。

クリニック卒業の日

心拍確認から5日後、「今日こそ卒業だ」と思いながらまた病院へ。エコーをして「よし、順調ですね!」と言われたあと「これなら次で卒業できるでしょう」と告げられ、心の中でズッコケました(笑)

というわけで、ようやく卒業できたのはその次の通院日。判定日から1ヵ月近くたった頃でした。

その病院での最後のエコーを行ない、伝えておいた希望の産院に紹介状を書いてもらいます。そして、渡されたのは「赤ちゃんのエコー写真」と「小さなキューピットの人形」。看護師さんからは、妊婦さん向けのカタログやいろんな情報誌をもらいました。

クリニックを卒業した1週間後に、紹介状をもって産院へ。出産までずっとその病院に通うことになりました。出産までも多くのハードルがありましたが、なんとか元気な女の子を出産。

不妊治療をする前は、
「やっぱり自然に授かった方がいいのかな」
「自然妊娠じゃないことにモヤモヤしないかな」なんて思ったこともありました。

でも、実際に出産して育てるなかで、不妊治療で授かったことに対して何のマイナス感情も持ちませんでしたよ。

不妊治療を振り返って

こうして、長く険しい不妊治療生活が幕を閉じました。今思うと「私、よく頑張ったなぁ…」と感心します(笑)

この治療を振り返って学んだことは

・治療費をケチりすぎるとよくない
(安さ重視で選んだ病院ではかすりもせず、思い切って奮発したら1発で成功したので)

・期待が大きいとダメージも大きい
(初めての人工授精や体外受精に超期待して、陰性だったときの絶望感は想像を絶します…笑)

・検査は積極的に受けるべし
(結果がどうであれ前に進める)

・メンタルケアは超大事
(正直、心身ともにやられます。ご褒美を用意しておくのがおすすめ!)

・夫婦の考えが一致していないと揉める可能性
(夫婦会議は大切です。我が家は毎晩していました…)

といったところです。

だいぶ遠回りをしたので、後悔している部分もないとは言えません。むしろ、未だに「最初から有名な病院にすればよかった」なんて考えてしまいます(笑)

でも、最終的には自分の理想の治療ができたと感じていますよ。私みたいに「あのときこうしていれば…」「もっと早くから行動していれば…」と悔いることのないよう、みなさんが後悔のない治療に取り組めたらと思います。

不妊治療にかかった費用を大公開!総額でいくら?

さてさて、記事の中でたびたび登場していた高額な治療費たち。結局、私はいくら支払ったと思いますか?(笑)

1番最初に病院デビューしてタイミング法に挑んだ日から、4つ目の病院で卒業を迎えたときまで…。トータルの治療費をまとめてみました!

【1つ目の病院(タイミング法)
14,370円

【2つ目の病院(タイミング法・人工授精)
83,410円

【3つ目の病院(体外受精)
765,450円(採卵1回、移植3回)

【4つ目の病院(顕微授精~卒業)
1132,000円(採卵1回、移植1回)

【その他】
卵管造影検査だけ受けた病院…5,620円
主人が受診した専門病院…12,160円

不妊治療の総額費用: 2,013,310円

なんと…
治療費だけで200万円を超えていました…!

とくに4つ目の病院は、たった1回の採卵と移植で100万円を超えています。

しかも、これに加えて交通費が約3万円検査薬やサプリメント代で約2万円がかかっています。不妊治療がいかに金銭的負担の大きいものなのか、改めて感じさせられますね…。

ただし、あくまでも私個人の一例ですので、参考程度になさってくださいね。

まとめ

私の不妊治療体験記を最後まで読んでくださった方々、本当にありがとうございます。

お金はかかるし、薬は面倒だし、注射は痛いし、通院や待ち時間は苦痛だし、結果がいつでるか分からないし…。不妊治療の大変さって、一言では片付けられませんよね。

私自身、何十回、何百回も「もうやめようかな」と思っていました。「私は妊娠しない」と悟り、里親制度に登録するため隣町まで説明会に行ったこともあります。

でも、今だから言えるのは「諦めないでよかった」ということ。

辛いことの連続かもしれませんが、自分を大切にしながら、ゆっくり前に進んでもらえたらと思います。

ライタープロフィール

Written by : ゆずぽんず
一児の母兼フリーライター。顕微授精で娘を授かる。大の苦手だった注射も、不妊治療のお陰ですっかり克服。でも、自己注射ができる人は心底尊敬します…。

 

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