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不妊治療体験記vol.7~2回目の体外受精と子宮鏡検査~

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前回の記事では、人生初の体外受精に挑戦したことをお伝えしました。かなり期待していたものの、「着床すらしない」という残念な結果に終わってしまった私たち。とはいえ、まだ受精卵がいくつか残っています!
採卵というハードルは越えたので、あとはどんどん移植するのみ!今回は、2回目の移植後の話をお伝えします。

2回目の体外受精

初めての移植で「陰性」と判定されたあとは、薬ラッシュが一旦ストップ。薬からの解放感に浸りながら、生理が来るのを待ちます。

移植準備

生理が来たら、また薬ラッシュの再開(泣)
判定日の1週間後に生理が来たので、事前に指示されていた通りのスケジュールで薬を服用し始めます。

前回と同じ流れなので、もう慣れたものです。お腹に貼り薬を貼って、膣剤を決まった時間に挿入…。

そして生理開始日から2週間後、久しぶりに病院へ行きます。採卵周期と比べると、通院回数も注射の本数も少なくて楽ちんです。

子宮の状態をみて、「そろそろ移植ですね」と移植日が決定。注射をして、追加の薬をいただきました。

移植日が決定すると、凍結胚の融解代が請求されます。そのため、この日のお会計は31,610円に。問診・注射・薬・融解代が合わさった料金です。

その2日後、前回と同じくシート法を行ないました。液体を子宮の中に入れるだけなので、ほとんど痛くありません。料金は、前回と同額の32,400円でした。

移植当日

シート法を行なった3日後、2回目の移植をしに行きました。ベッドで横になっていると、ようやく名前が呼ばれて別室に向かいます。

そして部屋に入った瞬間…予想外の言葉を告げられたんです。

「本当は4BBの卵を使うはずだったんだけど、うまく融解できず廃棄になりました。今回は3BCの卵を移植しますね」と…。

「え!?」と凍りついている私をよそに、先生や看護師さんはそそくさと移植作業に入ります。ただでさえ、全体的にグレードが低かった私の受精卵たち。グレードが高い順に移植していくので、今回は2番目に期待できる受精卵を使用するはずだったんです。

「今度こそは」と挑んでいましたが、この報告を聞いて一気に気分が沈んだ状態での移植となりました。3BCかぁ…とブルーな気持ちに襲われながらの帰宅。会計は86,420円でした。

判定日

期待ゼロのまま病院へ行き、あっさりと「陰性です」と告げられました。初回ほどのショックはありませんでしたね。むしろ、「ですよねー」と受け止めていました。

残っている凍結胚は、3CCと4CC、そして初期胚が1個だけ。「2個いっぺんに移植してもらえますか?」と聞くと、あっさり承諾してもらえました。(「絶対に1個ずつしか移植しない」と宣言している病院もあります)

また、「次の移植の前に子宮鏡検査をしてみよう」と提案されました。子宮の中に細い内視鏡を入れ、子宮内に炎症が起きていないか、子宮腔に癒着はないかなどを調べる検査です。

「着床すらしないなんて」と焦っていた私は、二つ返事でOKしました。

子宮鏡検査

子宮鏡検査は、思っていたよりも短時間で終わりました。5分もかからなかったのではないでしょうか。

痛みは「卵管造影検査ほどではないが、ピーク時は少し声が出てしまうほど痛い」という感じです。

先生がモニターを指さしながら「ここが子宮の入り口で、こんなふうになっていて…」と説明してくれるのですが…。痛みに耐えるのに必死だった私は、「な、なるほど…」と言いながら画面は一切見ていませんでした(笑)

結果は…異状なし。
本来なら喜ぶべき結果なのですが、2回移植して着床しない理由は分からないまま。「じゃあなんで妊娠しないの?」という疑問が膨らむ一方でした。

会計は、保険が適用されて2,660円。麻酔などはなにも使っていないので、検査後はすぐに帰ることができます。

3回目の体外受精

3回目の移植も、これまでと同じく「アシストハッチングあり」「シート法の実施」で臨みました。今回は無事に融解でき、3CCと4CCの卵を2つ同時に移植しました。ちなみに、卵が2つになっても融解代や移植代は一緒でした。

しかし、結果はまたしても陰性。やはり、着床すらしませんでした。もう私に残されているのは、凍結した初期胚1つだけです。

「次は初期胚を移植ですか?それとも、また採卵からやり直しですか?」と先生に尋ねたところ、「採卵からの方がいい」とのこと。また採卵か…と思うだけで、もう一気に疲れてしまいました…。

今後の方針

最初は「もう一度この病院で採卵しよう」と思っていたのですが、「次もアンタゴニスト法でいきましょう」と先生に告げられた瞬間に考えが変わりました。

実は、以前「この移植でダメだったら、次はロング法ですか?」と聞いたことがあったんです。そのときは「そうだねぇ。今回はアンタゴニスト法だったから、違う方法を試していくよ」と言っていたのに…。

このことから、「また同じ病院で、同じ方法を繰り返しても意味がないのでは?」という思いが強くなりました。また、「次に進む前に、着床しない理由をきちんと調べたい」とも感じるように。

ちょうどこの時期、ネットで知った「着床障害」という言葉が気になっていました。20代前半で、あらゆる検査も問題なし。精液検査はよくないものの、受精卵を移植しても着床しないなんて…。「私、どうみても着床障害じゃないの?」と疑わざるをえない状況でしたから。

また採卵から再挑戦するのなら、その前に一度しっかり原因を突き止めておきたい。そこで、着床障害検査を受ける決意をしたのです。

3回目の転院

着床障害検査は、不妊治療専門病院のなかでも限られたところでしか対応していません。「次の採卵は別の病院でする」と決心していたこともあり、3回目の転院をすることになりました。

これまで通っていた病院は、「近くて安い」を基準に選んでいました。たしかに料金は良心的で、シート法やアシストハッチングなどのオプションを除けば、助成金でほとんどカバーできるぐらいだったのですが…肝心の結果がダメダメ。

「いくら安くて近くても、妊娠できなければ意味がない」と判断した私は、思い切って超有名な病院を選んだのです。それは、この辺りで「最後の砦」と呼ばれている不妊治療専門病院。以前の病院からさらに遠くなるだけでなく、値段がケタ違いに高いと言われています。

専門性が高く、海外から来る人もいるのだとか。以前の私なら「高くて遠いなんて!」と絶対に選ばなかった病院でしょう。「ここでダメならケジメをつけられる」と考え、その病院に決めました。

4つ目の病院の初診

初診は主人と一緒に行きました。
病院に着いた瞬間、「ここは高級ホテルですか?」と聞きたくなるほど、かなりゴージャスな内装にびっくり。前回の病院とは大違いです…(笑)

※イメージです

事前に記入してきた大量の問診表と、これまでの検査結果や体温表をすべて受付で渡し、PHSを受け取ります。この病院では、プライバシー確保のため院内放送ではなく個別のPHSで呼び出されるシステム。「○○さーん」とフルネームで呼ばれるのがイヤ、という方に配慮しているそうです。

そのあと、スタッフさんが「院内の紹介」をしてくれました。「こちらが無料のカフェコーナーで、あちらはライブラリコーナーです」と、まるでツアーのように歩き回りながら説明してくれます。

ここはキッズスペースが別のエリアにあるため、子連れの人と会うことはありません。夫婦どころか、ご両親と一緒に来ている人もいましたよ。

そして診察。
この病院は初診は必ず院長が問診する決まりでした。非常に穏やかな男性の先生でしたよ。

これまでのいきさつ、着床障害を調べたい、もう一度体外受精に挑戦したいなどの旨を伝えます。

着床障害検査を受けて、問題は見つかれば治療を行なう。問題なければ、体外受精に挑戦しようと決まりました。

印象的だった先生の言葉は、「前回の採卵でとれた卵は質が悪いですね。うちなら、グレードに1つでも『C』がつくものは廃棄しています」でした。

前回の病院で移植したのは、4AB・3BC・3CC・4CCの卵たち…。この病院では廃棄するほど低いグレードの卵を必死に移植していたのか…と、なんだか虚しい気持ちになりました。

内診だけでなく、血液検査と尿検査も行ないます。初診で行なう検査はすべて保険が適用されるとのことで、2,540円で済みました。

着床障害検査

初診の次は、お目当ての着床障害検査を受けました。

着床障害検査には、いくつもの項目があります。すべて血液検査で分かるのですが、項目によって値段も保険適用の有無もまちまち。

「安い項目だけ受ける」
「安い項目を受けて、問題が見つからなければ高い項目も検査する」
「まとめて一気に検査する」
といった選択肢があります。

なかには結果が出るまで2~4週間かかるものもあるので、少しずつ行なえば2ヵ月近く時間をロスすることに。すぐにでも妊娠したかった私は、「まとめて一気に検査」を選びました。

「一気に」とはいえ、3回に分けて受診する必要がありました。保険適用のなるものと非適用のものを同時に行なえず、さらに主人の採血が必要な項目があるためです。

かかった費用は、

1回目…保険適用:2,460円

2回目…保険非適用:64,790円

3回目…保険非適用:59,840円

合計で127,090円…!
あと、結果を聞く日の診察代に370円がかかりました。

検査自体は採血のみなので、卵管造影検査や子宮鏡検査に比べるとかなり簡単です。医師との診察がないため、待ち時間も普段に比べると短め。ただ、かなりの血を抜かれます…(笑)

検査結果

「結果が出るまで最大で4週間」と言われていたものの、3週間ほど経ったときに電話で確認すると「もう結果が揃っています」と教えてもらいました。

1日でも早く結果が知りたい人は、こうやって電話で聞いてみるのがおすすめです!

結果を聞くために、ドキドキしながら診察室へ…。専門用語がずらっと並んだ項目と指さしながら、「これは基準値がこの範囲で、あなたの数値は…」と1つずつ説明してくれました。

しばらくは「これも問題ありません」の言葉が続いていたのですが、途中から「で、ここの数値なのですが…」と雰囲気が一変。

「血小板凝集能(PAP)」という項目に引っ掛かっていたのです。

簡単に言うと、「血が固まりやすく、血栓ができやすい」という状況でした。血流が悪くなるせいで、お腹の赤ちゃんにうまく栄養を送り届けられないそうです。自覚症状が全くなかったので、かなり予想外でした。

この対策として、血液をサラサラにする「バイアスピリン」を服用することが決まりました。ただし、服用するのは着床期間~妊娠してしばらくの間だけ。ずっと飲み続けるというわけではありません。

一応は不妊の原因のひとつと考えられるものが見つかったものの、「不妊の決定打」と言えるものではなさそうでした。「1つでも原因が見つかってよかった」という気持ちと、「12万円以上払ってこれかぁ」と肩を落とす気持ちが入り混じっていましたね。

とりあえず、この病院で体外受精を実施すること、そして着床の時期からバイアスピリンを飲むことが決定しました。

久しぶりの人工授精

着床障害検査の結果が出るまで、久しぶりの人工授精を2回行ないました。以前お世話になっていた、2つ目の病院です。(新しく通うことになった病院は遠くて高いため、人工授精なら以前の病院でいいやと判断しました)

なにも言わないまま転院したので、ちょっと気まずさはありましたが…(笑)「ほかの病院で体外受精をしたけどダメだった」と伝えると、嫌そうな顔はしていませんでしたよ。

しかし、結果は2回とも陰性。
「ここで妊娠したら、2回目の採卵は免れるぞ…!」という期待は外れてしまいました(泣)

まとめ

そんなこんなで、結局新たな病院での体外受精が決定した私たち。金銭的な覚悟も決まり、あとは突き進むのみです!

新たな病院は、高級感あふれる「優雅な雰囲気」と、何とも言えない「お互いが絶対に関わらない空気」が絶妙に入り混じっていました。無料のカフェ内も、そのへんのカフェのような和気あいあいとした場ではありません(笑)

いよいよ「最後の砦」に踏み入れ、採卵から再スタートとなった私。その内容は、次回たっぷりとお伝えします!

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ライタープロフィール

Written by : ゆずぽんず
一児の母兼フリーライター。顕微授精で娘を授かる。3つ目の不妊治療専門病院にて、受付で「あー!母子手帳忘れちゃったぁ!」と叫んでいる女性に超イライラした記憶があります。

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