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不妊治療体験記vol.4~夫が男性不妊外来へ!そして驚きの結果~

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前回までの記事では、タイミング法で一向に結果が出ない原因を探るべく、卵管造影検査を受けたところまでをお伝えしました。検査の結果は「異状なし」。この検査の後は、通常より妊娠率がアップするというゴールデン期間が待っていましたが、残念ながら妊娠することはできませんでした。そんな中、私のメンタル面にも徐々に変化が…。

不妊治療のストレス…メンタル面の変化

この時期から、私のメンタル面がじわじわやられてきてしまいました。「1日でも早く妊娠したい」という思いが強すぎて、「排卵はまだまだ先ですねぇ」と言われるだけで一気にどんより気分に…。

ときどき「今周期は排卵しそうにないですね。今回は諦めて、生理を起こす薬を飲みましょう」と告げられることもあり、半泣きになりながら病院をあとにしたこともあります。

そのため「病院の帰りにスーパーに寄っていこう」と思っていても、気分が滅入って買い物どころではなくなってしまうこともありました。今すぐに帰りたい、もう何もしたくない…という気分になってしまうんですよね。なので、最低限の買い物は事前に済ませておき、診察で暗黒モードになっても直帰できるよう対策していましたよ(笑)

外出にも影響が出てくる

スーパーや街中で子連れのママを見るだけでも辛いので、普段の買い物は夜になってから行っていました。それでも小さい子を連れたママと会うこともあり、その度に胸が締め付けられるような気分になっていましたね…。

とくに辛いのは、休日に主人と出かけるときです。赤ちゃんを連れている夫婦を見かけたら、2人きりで歩いている自分たちが惨めに感じることも。主人は子連れを見てもなにも思わなかったようですが、とにかく私のメンタルがもたなかったんです。

さらに、追い打ちをかけられたのが「マタニティーマーク」。もう若い女性をみるたびにカバンをチェックする癖が付いてしまい、どんなに遠くからでも「あ、妊婦さんだ…」と発見する能力を身につけてしまいました。外出先でマタニティーマークを見かけたら、一気にブルーな気分に。主人に「買い物の途中だけど、もう帰りたい」とお願いしたこともありました。

高温期はずっとソワソワ

排卵が終わって生理が来るまでの高温期は、「そろそろ着床したかも?」「もしかして妊娠初期症状では…」といてもたってもいられない時期。「妊活あるある」とも言えるものは、ほとんどすべて行なっていました(笑)

たとえば、ちょっとした体調の変化に敏感になり、「妊娠初期症状 つわり」などのワードをネット検索。自分の症状に当てはまるページを必死に探し、「これはもしかして!」と期待を高めまくっていました。

毎朝基礎体温を測っていたのですが、低い体温が表示されると「なにかの間違いだ」と測り直したこともありましたよ。(その数時間後、しっかり生理が来ます。基礎体温の正確さってすごいですね…笑)

それでも、「これは生理じゃなくて着床出血かも!」と現実逃避のような考えを巡らせていました。どこからどう見ても生理なのに、現実を受け入れられなかったんですよね。

フライング検査も

妊活中を振り返って「無駄遣いをしたなぁ…」と感じるのが、このフライング検査です。本来なら生理予定日から1週間ほど経ってから使う妊娠検査薬ですが、生理予定日の前にフライングで使ってしまうこと。ネットでは「生理予定日前なのに妊娠判定が出ました!」なんて報告例があったので、私もついやってしまったんですよね…。

海外製のものならネットで安く手に入るのですが、どれも数十本以上の大量セット。「フライング検査は今回で最後にするぞ…」と毎回心に誓っていた私は、近所の薬局で割高の検査薬を毎回購入していました。あと数日待てば、生理が来て明確な結果が分かるというのに…(笑)

しかも…真っ白の陰性にも関わらず、「まだ時期が早いから陽性反応が薄いのかも…」と光にかざしたり数時間おきに確認したりしていました。いま思い返せば、なかなか痛々しい行動ばかりしていましたね…。

ついに人工授精へステップアップ

そんな不安定なメンタルになりながら続けていた妊活も、いよいよ次のステップへ。ゴールデン期間が何事もなく終わってしまったので、以前から決めていた人工授精をすることになりました。

通っていた病院は人工授精も対応していたので、転院することなくそのまま通うことに。「今度は人工授精をしたいです!」と先生に伝えると、その場で人工授精のしくみを説明してくれました。

人工授精を行なうまでの流れ

まずはタイミング法のときと同じように、卵胞の状態を見るために何度か内診を行ないます。費用もタイミング法のときと同じなので、途中までは身構えなくで大丈夫です。

「もうそろそろ排卵しそうだ!明日人工授精をしよう!」と判断されたら、排卵を促す注射を打ちます。これを打てば翌日に排卵されるので、それにあわせて人工授精を行なうという流れ。

この注射は筋肉注射なので、肩やおしりに打ちます。針を刺す痛みよりも、薬剤が入ってくる時にじわじわ痛みを感じます。私はいつもおしりに打ってもらっていましたが、なかなか恥ずかしい格好でした…(笑)

人工授精当日の流れ

人工授精をする時間は決まっていたので、指定された時間に病院へ行きます。何度も経験した、採精したてホヤホヤの精液を持参しての受診です(笑)

私が通っていた病院では、精子を遠心分離器にセットし、精子濃度が濃い状態の精液を作り出すことになっていました。この作業に1時間ほどかかるため、精液を提出してからしばらくは待ち時間が発生します。

名前が呼ばれたら、いよいよ人工授精スタート。「こんな感じになりましたよ~!」と、遠心分離させたばかりの精液を見せてもらってから行ないます。私が見たところで「さっきより量が減ったなぁ」くらいしか分からないのですが、とりあえず毎回「おぉ~!ではよろしくお願いします」と答えていました(笑)

先生が子宮の奥までチューブを入れ、濃縮された精液を流し込みます。本来ならそこまで痛くないはず…なのですが、私の子宮の角度に難があるのか、いつもチューブが入りにくくて先生が苦戦していました。チューブをぐりぐりされる痛みが襲ってくるのですが、「動かないで!」と言われるのでひたすら我慢…。

何度か「チューブが奥まで入らないから、子宮の入り口までにしておくね」と言われたこともあります。「人工授精のメリットの1つは、子宮の奥に精液を流せるところだよ」と言われていたので、これには正直ショックでしたね…。先生は「入り口でも大丈夫だよ」とフォローしてくれましたが、私は内心「これじゃあただ濃縮した精液を入れただけで、普通のタイミング法と変わらないんじゃ…妊娠率も減ったんじゃないの…?」とモヤモヤしていました(泣)

ちなみに、人工授精が終わってから診察室に呼ばれ、「今回の精液検査の結果はこちらです」と紙を渡されます。そこに書かれているのは、いつもと同じような10~30%の運動率。人工授精を行なって「今回こそは!」と思った直後にこの数字を見ては、毎回「あ…今回も期待は薄そう…」と肩を落としていました。

人工授精の費用

人工授精当日の会計は、15,310円。保険は適用されません。排卵させる注射を打った前日の料金は2,340円でした。

それまでも何度か内診で卵胞のチェックを行ないますが、ここの部分はタイミング法と同様です。

人工授精が終われば、あとは祈りながらただ待つだけ。生理が来てしまったら、また排卵前に診察の予約を取って内診をする…の繰り返しです。

夫が男性不妊外来へ

人工授精をするたびに改めて知らされる、精子の運動率の悪さ。「なかなか妊娠できないのは、主人にも原因があるんじゃないの?」という疑惑がだんだん強くなり、「もっとちゃんと調べたい!精子を元気にさせる治療をしたい!」と思い立ちました。

とはいえ、そのとき私が通っていた病院は普通の婦人科。検査できるのはせいぜい精液検査ぐらいだったので、男性を診てくれる病院を新たに探す必要がありました。

ネットで探してみると、最寄駅から数駅先のところに「男性不妊外来」をしている病院を発見!限られた曜日だけですが、泌尿器科専門医が診察を行なっているとのことでした。

驚きの結果が判明

さっそく予約を入れ、主人1人だけで受診してもらうことに。そして帰ってきた主人の口から、予想外の言葉が飛び出たんです。

「精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)って言われた…」と。初めて聞く言葉だったので、一瞬何のことか分かりませんでした。先生が手書きで書いてくれたメモには、先ほどの診断名と「手術 ○○病院」というワードが。

先生いわく、精子の運動率が悪いのはこの「精索静脈瘤」が原因とのこと。精巣の上にある静脈中の血液が逆走して瘤(こぶ)ができているのだそうです。このせいで血の流れが悪くなり、温度も上昇して精巣に悪影響を及ぼしている状態でした。

しかも、この病気の厄介なところは進行性であること。どんどん元気な精子を作る機能が下がっていくので、のんびりしていると状況は悪化していく一方なのです。(そのため、2人目不妊の原因の多くはこれなんだとか)

診断結果を聞いて

この病気を治療するには、手術という選択肢があります。先生に渡されたメモに書かれていた病院名は、「手術が希望ならここを紹介するよ」という意味でした。

主人は「俺は手術を受けてもいいよ」と言ってくれましたが、私の中で「手術を受けたからと言って必ず運動率が上がるとは限らない」という点が引っ掛かっていました。

費用は病院や手術方法、日帰りか1泊かによって差があるようですが、安ければ10万円程度で済むそうです。

今思えば「やってもよかったんじゃない?」と思うのですが、当時は「確実に効果があるとは言えないし、主人もかわいそうだし…」という理由で踏ん切りがつきませんでした。

主人の通院もスタート

手術はしないまま通院を続け、少しでもいい状態の精子を得られるよう薬をもらうことなった主人。薬といっても、ビタミンEなどの栄養面をサポートするものです。

ちなみに、初診は1カ月分の薬代も含めて5,610円。男性の先生に下半身を見せると、かなりマジマジとあそこを観察されたそうです(笑)

その先生いわく、「精索静脈瘤かどうかは見たら一発で分かります」とのこと。セルフチェックの方法もあるそうですが、素人の私が見てもほとんど分かりませんでした…。気になる方は、やはり専門医に診てもらったほうが安心だと思いますよ。

その後の通院では、精液検査も行ないました。これまで婦人科で行なったものは「運動率」「奇形率」「精液量」「精子数」といった基本的なデータしか分かりませんでしたが、この病院では「直進運動率」も調べてもらえました。

元気に動き回っている精子でも、その場でグルグル回っているだけだったり、蛇行を繰り返していたりとさまざまなようです。精子の状態も画像で見せてもらえたので、「専門病院の検査は本格的だなぁ…」と感心したのを覚えています。ちなみに、この病院には個室の採精室があるため、自宅から精液を持参しなくてもOKでした。

精液検査と薬代をあわせて、会計は3,650円。この病院では毎回保険が適用されたので、いつもこのくらいの値段でしたよ。

まとめ

かなり期待をよせていたゴールデン期間も、あっけなく終わってしまいました。そして人工授精にステップアップしたものの、今度はチューブがうまく入らないというトラブルも…。

この頃を振り返ると、金銭面よりも精神面の辛さが上回っていたように感じます。生理が来た日なんて、地獄に突き落とされたような気分でしたよ…。

それに加えて主人の病名が判明し、もう私のメンタルはズタボロに(笑)夫婦そろっての通院がスタートしたものの、今後はどうなっていくのでしょうか。

次回は、人工授精からの治療内容をお伝えします!

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ライタープロフィール

Written by : ゆずぽんず
一児の母兼フリーライター。顕微授精で娘を授かる。不妊治療を始めてから、保険適用されることのありがたさを知りました。

 

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