不妊治療体験記vol.2~初めての精液検査、そして転院~

不妊治療を始めるにあたり、近所の産婦人科に通うことになった私。前回の記事では、不妊治療を始めるきっかけや、初めての受診に関する内容を書かせていただきました。前回の記事はこちら
「今回はいくらかかるんだろう…」と金銭面の不安を抱えながらも、通院しながらのタイミング法がスタート。今回は、初めての精液検査、そして転院についてお伝えしたいと思います。
通院開始!タイミング法と精液検査
タイミング法
タイミング法から始まった私は「生理が始まったら、○日後ぐらいに来てね」と先生に言われ、その日に受診して排卵日を予測する…という流れを繰り返していました。
無事に排卵したかどうか見届ける必要があるため、「まだ排卵してないね。また2日後来てくれる?」なんてこともしょっちゅう。
「もうすぐ排卵だ!」と分かると、仕事中の主人に「今日の夜、よろしくお願いします」と連絡をします(笑)
そんななか、今度は主人の精液検査を行なうことになりました!
精液検査の流れ
私の血液検査に異常がなかったので、「今度は旦那さんの検査もしましょう」と先生から声を掛けられました。紙コップや氏名を書くシールなどの「採精セット」が渡され、「○日の○時に持っていきます」と予約を入れます。
当日は主人が自宅で採精したものを、私がダッシュで病院に届けに行きます。温度によっては精子が弱ってしまうので、肌身離さずの状態を心掛けないといけません。
受付の人に「これ、お持ちしました」と渡すのですが、紙袋に入っているので一応周囲からはバレにくいようになっています。(分かる人が見ればすぐに「あ、精液検査だな」と分かりますが…笑)
てっきり検査結果は当日分かるものだと思っていたのですが、その日は会計に呼ばれておしまいでした。会計は1,990円。保険がきくため、そこまで高くはなりませんでした。
ただ、精液検査は主人が患者扱いとなるため、新しく主人の診察券を作るのに発行代300円とられました…。初診のとき、私の分もとられたんですよね。「ちゃっかりしてるなぁ」と思いつつ払っておきました(笑)
精液検査の結果は…
数日後、検査結果を聞きに行きます。
結果は…「運動率30%」。
「え…これ低くない?」という焦りと「よかった、0じゃない!」という安心が混ざっていました。
先生は「70%はほしいところ」「とはいえ、1回の検査だけでは何とも言えない。これが旦那さんの最高の数字かもしれないし、今回たまたま調子が悪かっただけかもしれない。もう少し回数を重ねてみましょう」とのこと。とりあえず、今後もこのままタイミング法を続けていくこととなりました。
その日の夜、主人に結果を伝えると「ふーん」という反応でした。とくにショックを受けるわけでもなく、「それでもタイミング法を続けることには変わらないんでしょ」という様子。落ち込まれるよりはマシですが、「こんなもんかぁ」とあっけなく感じたものです。
ちなみに、当時主人は27歳。年齢が若いからと言って、精子に問題がないとは限らないのだと痛感しました。
初めての転院を決意
転院の理由
その後も排卵日を予想するために何度か病院へ通いましたが、その度に「ちょっとなぁ…」と不満に感じることがありました。
たとえば
「本当に妊娠したいの?それならもっと頑張りなさいよ」
「大丈夫、みんな若い子はすぐ妊娠してるよ」と軽く言われたこと。
そもそも不妊治療をメインとした病院ではなかったのですが、「不妊治療に対する理解がないのでは?」とモヤモヤしました。
また、具体的なアドバイスがあまりもらえなかったのも歯がゆさを感じていましたね。血液検査や精液検査をしたものの「これだけじゃあ何とも言えない」「まぁ様子を見ましょう」「若いから大丈夫」といった言葉ばかり並べていて、いつになったら先に進むのか、今やっていることに意味はあるのかと疑問を感じ始めました。
そして、お金に対する不満もありました。
16:30から診察のはずが混んでいて診察時間後の17:20に呼ばれたとき、医療費の明細書を見ると「時間外加算」をつけられていたんです。さすがに空いている日は取られなかったものの、「こんなのってありなの?」という思いは消えません。
ほかにも、前回書いたようにエコーで排卵がまだ先と分かるのに排卵検査薬を使ってお金をとられる、「排卵はまだまだ先」と言っているのに「また明日も来て」と何度も来させる…など、とにかくお金を取ることに必死な様子が感じられたのです。
そこで、思い切って転院することに決めました。
前回は家からの距離だけで選んだので、次は病院のホームページをしっかりチェック。すると、家から自転車で10分の距離に「得意分野:不妊治療」と掲げている病院を発見!「ここだ!」とすぐさま予約を入れることに。
これまで通っていた病院には特になにも言わず、あっさりとした別れ方となりました(笑)
2つ目の病院の初診の流れ
新たな病院も、前回と同じく個人院。結果から言うと、転院して大正解でした。
初診では、前回と同じような質問をされました。
過去の妊娠の有無、初潮の年齢、避妊をやめてどのくらいかなど…。精液検査の結果と基礎体温表を持って行ったので、それも一緒に見てもらいました。
ちなみに、「他の病院に通っていたけれど、ちょっと合わなくて転院しました」と伝えると「そうなんですね」とスムーズに受け入れてくれましたよ。
「しばらくタイミング法をやってみよう」という判断は変わらないまま。でも、それに伴うアドバイスは以前と大きく異なりました。
今後は数周期タイミング法をしながら、精液検査も並行して行なっていこう。勇気があれば、卵管造影検査もしよう。旦那さんは一度専門の病院で診てもらった方がいいかもしれない。それでもダメなら、人工授精にも挑戦しよう…と、具体的な方針をどんどん立ててくれたのです。
妊娠のメカニズムや不妊になりやすいの原因なども説明してもらえ、まるでマンツーマンの授業を受けているようでしたよ(笑)
その後、血液検査と内診を行ないました。これは前回の病院と一緒ですね。(さすがに身体測定はありませんでしたが)
「前回の病院と全然違う!やはり不妊治療に力を入れている病院はすごい!」と感動しながらお会計へ。この日の会計は3,200円。前回の病院の初診時の半額以下です。
「やっぱり、あの病院はぼったくりだったんじゃ…」という疑問を感じつつ、新しい病院での治療が始まりました!
医療費に大きな差が!
タイミング法の場合、内診のエコーで卵胞の状態を確認して排卵日を予想する…というのがお決まりの流れ。ですので、毎回の診察代には必ずと言っていいほど内診の検査代が加算されます。
ところが…新たな病院に通い出してしばらくすると、会計の金額が異様に安い日があったんです。内診もして、先生との会話もしっかり行なったにも関わらず、その日のお会計は720円。前回通っていた病院では、エコーをすると毎回2,000円以上を支払っていました。
実は、タイミング法をするにあたって行なわれるエコーの費用には、保険適用となる上限回数が決まっているのです。排卵誘発剤の使用の有無などによって上限回数は異なるのですが、私が新たに通い出した病院では「自費になる日はエコー代を取らない」と定めていました。そのため、このように妙に安い日が発生したという訳なんです。
「前の病院では考えられないサービスだなぁ」と感じながら、このサービスのお陰でかなり財布の負担が軽くなりました。なんてったって、以前と比べると半額どころか3分の1ですからね!
前までは「また明日も来てね」なんて言われると、真っ先にお金のことが頭をよぎっていました。それが今では「はーい!お安いご用です!」と快諾するように。病院によっても、医療費に関するルールはさまざまなのだと学びました。
再び精液検査
以前の病院では、運動率30%という結果だった精液検査。普段のコンディションがどの程度のものなのかを知るため、新たな病院でも検査を数回にわたって受けることになりました。
流れは前回とほとんど一緒で、あらかじめ採精セットを病院から貰って帰ります。そして指定された日時に精子を持参するだけ。今回も、採取したてホヤホヤの精子を自転車に乗って送り届けてきました。
前回の病院と異なったのは、その日中に結果を知ることができるという点。その病院には専門のスタッフがいるため、提出してから60分ほど待てばその日に結果を教えてくれるのです。(そんなに待てないという場合は、後日の受診時に聞くのもOK)
私は気になってソワソワするタイプなので、毎回その日に聞いていました(笑)そして、気になる結果ですが…なんと、前回の30%どころか10~20%をうろうろする状況だったんです。まさか最初の30%が「絶好調の時の数字だった」なんて思いもしませんでした。
しかも、今回の病院では「運動率」のほかに「奇形率」も知ることができたのですが…これまた高い数値が毎回表示されていました。
「そもそもの運動率が悪い上に、奇形の精子が多いということは…ちゃんとした精子はほんのわずかしかいないのでは…」と落ち込む一方。先生もさすがに難色を示し、「これは…早めにステップアップした方がいいかもね…」とおっしゃっていました。
ちなみに、奇形率などの項目が増えても値段は以前の病院と同じくらい。毎回2,000円前半くらいのお値段でした。
まとめ
男性の中には、「精液検査の結果が悪かった」と知らされてショックを受ける人も少なくないようです。男性としてのプライドもあるようなので、伝え方には気をつけたいところですね。(うちの主人はプライドがないのか、あっさりと受け入れていましたが…笑)
そして、今回とくにお伝えしたいのは「病院選びは本当に大切」だということです。
病院によって、不妊治療に対する姿勢や料金体制はまちまち。「ここはちょっとな…」と感じたら、ほかの病院を探すのも選択肢のひとつです。自分が「ここなら大丈夫」と信頼できる病院で、安心して治療に取り組んでくださいね。
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ライタープロフィール
一児の母兼フリーライター。顕微授精で娘を授かる。精液検査の際は、いつもゴムパンツとお腹の間に精子を挟みながら自転車を走らせていました。