夏の終わりに読みたくなる小説12選*青春小説からホラーまで厳選!


永遠に続くような暑さがやわらぎ、少しずつ日が短くなっていく頃、なんとなく物悲しさを感じたりしませんか?今回はそんな夏の終わりにぴったりの、切なくやさしい小説を紹介したいと思います。青春・恋愛小説からホラー・ミステリーまで広く選んでみたので、どうぞお楽しみください★

 

『スローグッドバイ』 石田衣良


"普通の人たちの少しだけ特別な恋"を綴った10篇の短篇集。表題作スローグッドバイは、上手に別れるための"さよならデート"へ出かけたカップルが描かれています。ゆっくりと別れへ近づいていく物語からは、とても静かな切なさを感じます。
「七時間もかけて
誰かにさよならといったのは初めてだよ」
全編を通して、一瞬ずつを丁寧に摘み取ったみずみずしい作品です。

 

『風待ちのひと』 伊吹有喜


海辺の町で出会った、"心の風邪"で休職中の男と家族を失った傷を抱える女。39歳のふたりは少しずつ互いの傷を打ち明け、ともに夏を過ごします。誰でも人にいえない傷がある、どんなに頑丈そうに見える人でもとても壊れやすかったりする。そんな当たり前のことを思い出し、人との関わりを見つめなおしたくなる作品です。
ちなみに人生を季節に例えると、10代は青春、20~30代が朱夏、40~50代は白秋、そしてその先が玄冬になるそうです。39歳という年代はまさに"夏の終わり"なんですね。

 

『バッテリー』 あさのあつこ


天才的な才能を持つ孤高のピッチャー巧と、思いやり深く仲間からの信頼も厚いキャッチャーの豪。ふたりが出会い、認め合い、時には衝突しながら成長していく様子を描いた名作です。青春の残酷さ、情熱、苛立ち、どこにも辿り着かない感情、そのすべてがここに詰まっています。大人になってからこそ読んでほしい最高傑作です。

 

『また、同じ夢を見ていた』 住野よる


『君の膵臓をたべたい』が大ヒットした住野よるさんのもうひとつの名作。学校に友達のいない奈ノ花が出会ったのは、手首に傷がある"南さん"、とてもかっこいい"アバズレさん"、ひとり暮らしの“おばあちゃん”、そして尻尾の短い"彼女"。何気ない日常とファンタジーが混ざり合う、不思議で温かい物語です。
あの時ああしていれば、
あんなことを言わなければ…。
きっと誰もが抱えるそんな後悔をやさしく包み込んでくれます。少しも悲しくなんてないのに涙が出る、そんな作品です。

 

『終末のフール』 伊坂幸太郎


「8年後に小惑星が衝突し、地球は滅亡する」
そう予告されてから5年がたった世界は、当初のパニックもおさまり、平穏な小康状態にありました。残り少ない人生の中で人は何を考え、どんなことに怯え、どんなことに幸せを感じるのか。生きることの意味を考えさせてくれる8編の連作短編です。

"今日という日は残された日々の最初の一日"

決して暗い作品ではなく、伊坂ユーモアもたっぷりのやさしい物語です。

 

『永遠の0』 百田尚樹


妻との約束を守るため、娘に会うまでは死ねない―そう言い続けた男は、なぜ自ら零戦にのり命を落としたのか…。終戦60年目の夏、青年は死んだ祖父の生涯を追っていました。
“夏”は日本という国にとって大きな意味があります。終戦から70年以上がたったいま、当時を知る方は少なくなりました。戦争について知ろうとする人たちも減っています。平和な時代だからこそ、なぜいまの日本があるのか、どんな過ちを犯したのか、これからどうしていくべきなのか、ひとりひとりが考えることが大切なのではないでしょうか。

 

『氷菓』/古典部シリーズ 米澤穂信


“やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことなら手短に”をモットーに掲げる省エネ少年の折木奉太郎。そんな彼と個性豊かな古典部のメンバーは、文集『氷菓』に隠された33年前の事件の真相を解き明かしていきます。情熱や友情、恋愛のような分かりやすい青春要素は何もないのに、なぜかキラキラと惹き付けるシリーズです。2017年11月には映画化も予定されているので、そちらもお楽しみに。

 

『夏と花火と私の死体』 乙一


"九才の夏休み、少女は殺された。あまりに無邪気な殺人者によって、あっけなく――。"
ホラー小説の名手・乙一さんが16歳のときに書き上げた作品です。16歳が書いたとは思えないほどの緻密な構成と、16歳にしか書けないみずみずしい表現が好対照になっています。この作品が特異なのはもうひとつ、語り手が"死んでいる"ということ。殺された少女の目線で物語が進んでいく特殊な手法には、度々ゾクリとさせられます。

 

『夏の庭』 湯本香樹実


"人が死ぬ瞬間をこの目で見てみたい"という残酷な好奇心から、町はずれにひとりで暮らすおじいさんを見張り始めた3人の少年。日ごとに好奇心が高まる少年たちと、なぜか元気になっていくおじいさんの、不思議な友情を描いた名作です。夏の光と影のように強いコントラストでありながら隣り合う"生"と"死"。精一杯、目一杯生き抜いたあとの死は、悲しいものでも怖いことでもなく、ただ1日の終わりに眠りにつくようなものだということを、おじいさんと少年たちが教えてくれます。

 

『おいしいコーヒーのいれ方』 村山由佳


父の転勤により、いとこ姉弟と一緒に暮らすことになった高校3年生の勝利。一緒に暮らしていくうちに、彼は少しずつ5歳年上のいとこ・かれんに惹かれていきます。男性なら誰もが共感し、女性は「こんな風に想われてみたい」と憧れる作品。ゆっくりゆっくりと進んでいく勝利とかれんの恋愛は、もどかしいながらも優しく見守りたくなります。ユーモア豊かな登場人物たちのやりとりに、ハマってしまう方も多いはず。

 

『九つの、物語』 橋本紡


大学生のゆきなの前に現れた、長く会っていなかった兄。女性と本と料理を愛する奔放な兄との日常の中、ゆきなはやがて、兄が不在だった理由を思い出します。生きるとは、なんと愚かで、なんと尊いのか。そのことを丁寧に描いたやさしく強い物語です。
9章からなるこの作品は、その時ゆきなが読んでいる本に沿って物語が進んでいきます。たまたま手に取った小説がいまの自分の境遇にそっくりだったり、一生忘れられない文章に出会ったり、本好きなら誰もが経験するあの感情が巧妙に描かれています。

 

『MISSING』 本多孝好

 タイトル通り、いなくなってしまった人たちを描いた5つの短編集です。自殺に失敗した男性が不思議な少年と出会う『眠りの海』、幽霊ちゃんと呼ばれる女の子の秘密を描く『祈灯』、老人ホームにいる祖母からの依頼を果たす『蝉の証』、瑠璃色の瞳をもつ奔放な少女を回想する『瑠璃』、完璧な男性の心に潜む狂気を暴いた『彼の棲む場所』。人間の脆さと愛しさを描いた、夏の終わりのように切なくやさしい作品です。

 

 

今回は、夏の終わりに読みたくなる小説を12冊紹介させていただきました!
夏をテーマに書かれたものを中心に選びましたが、なんとなく夏の終わりのような雰囲気をもったものも混ざっています。少しずつ夜が長くなっていく季節のおともになれば幸いです。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました(^^)

ライタープロフィール

Written by : yukari
飼っている猫と、今まで読んできた小説が宝物です。それと映画、ときどき旅行があれば幸せです。あとはきれいな空と美味しいものとお酒。(欲張り)

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